ドイツからのインターネット2〜インターネットカフェ

2003.1.17 ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗

 昨年末(2002.12)に2年ぶりにドイツに行って来ました。今回も前回同様、WindowsCE機を持参しました。旅先でインターネットを利用できるのは、とてもありがたいものです。少々大げさに言えば、自分の事務所を持って旅行できるようなものですから。
 さて、今回のドイツ出張において、インターネット関連で感じた事を書いてみましょう。

成田空港
 成田空港での出発待ち時間はバカになりません。今回も飛行機の出発の遅れで、空港で数時間多く待たなければなりませんでした。このような時、到着先で会う予定の人に緊急の連絡をしたり、または仕事のメールを書いたりして時間を有効利用できる事はとてもありがたいものです。
乗り継ぎのアムステルダム空港
 前回はテレフォンカードを買う事が出来なくて、公衆電話からインターネットを利用できませんでした。今回は通貨がEUROに統合している上、公衆電話の隣にテレフォンカードの自動販売機も設置されています。「しめしめ、今回は楽勝!」と思い、早速テレフォンカードを購入しました。そして前回(2年前に)見つけたモジュラーコンセントの付いた公衆電話を探したところ、全くありません。そこで電話回線(モデム)でインターネットが接続出来る場所はないかと色々と探したのですが、アムステルダム空港の中にはありませんでした。もちろん、あちこちにコイン・インターネットなどはありますが、そこではモデムを接続できません。
 もうモデムでメールの送受信をする事は主流ではなくなってしまったのでしょう。ヨーロッパでも日本と同じで、携帯電話が普及していますのであえてモデムをモジュラージャックに接続して、インターネットする必要はありません。またWebメール、LAN接続等、モデム接続は非主流になっています。しかし先の方法ではアルファベットを使わない我々には困った事なのです。日本語対応端末でなければ、日本語入力ができないからです。いずれ、世界共通規格の携帯電話(または無線LAN)が普及すれば、このような問題は解決するのでしょうが。
ドイツのホテル
 今回も前回と同じビジネスホテルに泊まりました。前回と同様に部屋のビジネスフォン(一般電話とは回線が異なります)の受話器のコードを外し、持参した機械を繋げ、それを中継してパソコンのモデムに接続しました。そして手でダイヤルして、最後の番号を押した瞬間にパソコンのエンターキーを押すのです。若干の慣れが必要です。ただし最初はホテルの外線番号の「0」を押すのを忘れていて、何度掛けても接続できなくて参ってしまいました。すなわち、GIRCで提示されている電話番号の前に「0」を2つ付けなければならなかったのです。前回も同じ苦労をしたはずなのに、また同じ事を繰り返すとは・・・。
 一旦うまく接続できると、後は快適です。日本にいる時と全く同じようにメールの送受信が出来ます。ホームページも遅いながら、問題なく表示できるので便利なものです。
ミュンヒェンのインターネットカフェ体験
 ミュンヒェンの中央駅の前には大きなインターネットカフェがあります。これは2年前に既に見つけていたのですが、今回は時間があったのでこれを利用してみました。私はインターネットカフェは初めての体験でした。入り口近くにチケット販売機があり、その画面を読むといくつかの料金コースがあります。例えば「1月」とか「1週間」とか、「料金補充」とか・・・。考えても良く判らないので、とりあえず一番安い1EURO(約120円)のチケットを購入してみました(下図参照)。
 さて、座席に着くとパソコンの画面にチケットのパスワード(Credit番号)を入れる欄があります。そこに番号を入力してエンターキーを押したところ、いつも見慣れたインターネットエクスプローラの画面が表示されました。どうやらOSはWindows2000みたいです。ここまでくるとこっちのものです。
 まずは標準画面はドイツ語バージョンのインターネットエクスプローラですから、日本語フォントをダウンロードしなければなりません。そこでまずはとりあえず知っている日本語ホームページにアクセスしてみました(Yahoo Japan)。すると便利になったもので、自動的に「日本語フォントをダウンロードしますか?」と表示され、「Yes」を押すとあっという間にフォントをダウンロードして、日本語が表示できるようになりました。こうなると後は快適、普段日本で見ているホームページやBBS、もちろん自分のホームページをもドイツでも当たり前のように閲覧できるのでした。Webメールに登録している人は、メールの閲覧も可能でしょう。
 ただし問題もあります。日本語入力が出来ないのです。Windows2000の入力(キーボード)設定を変更しようとしたら、システム保護がされていて出来ません。すなわち日本語表示は問題なくても、日本語入力が出来なければメールは書けません(もちろんアルファベットだけで書く事はできますが)。また、目的のホームぺーを検索するのにも、検索Web上で日本語を入力して検索できないのです。これは唯一不便な点でした。贅沢と言えば贅沢なのですが。
 この1Euroのチケットは期間内(1週間)ならば断続して使用可能なので、私はそのチケットで2〜3回利用しましたが、結局はチケットを使い切らずじまいでした。1EUROで40分間くらい接続できるのではないでしょうか。もちろん通信速度はADSLなみの高速接続です。



ドイツ インターネット接続レポート その3

2003.5.17 ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗


 今回のドイツ出張も前回と同じく成田→オランダ・スキポール空港→ミュンヒェンと、いつもと一緒のパターンでした。前回の出張から半年も経っていませんので、特に珍しいことがあったわけではありませんでしたが、今回はWindowsCE機ではなく、小型のノートパソコンを持参しました。

今回ノートパソコンを持参した理由
 私がノートパソコンをヨーロッパ出張に持ち出したのはこれが2度目です。しかし「ノートパソコンでのインターネット接続」ということに関しては、これが初めての経験になります。今回持参したノートパソコンはSONY PCG-U3という小型のノートパソコンです。しかし、これとてオプションのバッテリーを付けると、WindowsCE機と比べてけっこうな重さになります。そういった意味では、前回紹介しましたWindowsCE 機はとても気軽です。今回なぜわざわざ重いノートパソコンを持って行ったかと言いますと、次の理由からです。

 1.デジカメの画像を保存するため
 2.無線LANでのアクセス実験
 3.機内で普段の仕事をかたづけたかった

 どうしても必要だったのは1.でした。今回は家族と一緒に行ったので、デジカメの画像枚数がいつもよりはるかに多くなることが予想されたからです。2.と3.も関しては、ついでに行ったというところです。しかし、最近のインターネット接続環境の変化から、無線LANでのアクセスが主流になる雰囲気(モデムでの接続の限界)はありましたから、これも是非試してみたいとは感じていました。

 ちなみにGRICローミングサービスについての詳細は、GIRICの日本語HPを見てくださいと言いたいところですが、これが役に立たないホームページなのです。英語がわかる方は直接英語版のHPでくわしい情報を得るか、またはBiglobe等の大手のプロバイダの海外ローミングサービスについてのHPを参考にしてください。
持参した機材
パソコン:SONY PCG-U3(WindowsXP)+増設バッテリー
接続ソフト:GRIC MObileOfiie
無線LANカード:(メルコ WLI-CB-G54)
アナログモデムカード(TDK DF5600J)
インラインカプラー(ROAD WARRIOR)
PHS+データケーブル(日本国内で使うため)
その他小物

成田空港での待ち時間
 今回は飛行機に遅れはありませんでしたし、家族と一緒だったこともあり、成田空港で通信をしてしる時間はほとんどありませんでした。家族には別行動をとらせ(子供の食事に行かせ)、私は一人でLANアクセス実験です。私の利用しているGRICが成田空港での無線LANアクセスを始めたらしいという情報を入手したので是非試してみたかったのです。

 まずは第一ターミナルロビーで、パソコンを立ち上げて無線LAN接続を試みました。まず、パソコンの操作に関してですが、今まで慣れたWindowsCE機のパッと電源が入り、ペン入力でパッパッと操作ができるのに比べ、じれったいというのが正直な感想です。しかし、それはそれで仕方がありません。慣れるしかありません。
 さて、肝心の無線LAN接続ですが、私が無線LANエリアをきちんと調べていかなかったので(また時間もありませんでしたし)、ロビーで無線LANの電波をキャッチすることは出来ませんでした。よって、いつも通りにPHSにてメールの送受信を行いました。

 次に出国審査を行い、出国審査ゲートをくぐったところで案内の人に「無線LANのアクセスエリアはどこですか?」と尋ねたところ、てきぱきと答えてくれました。私のように接続を試みる人も珍しくないのでしょう。無線LANの通信エリアはいくつかありました。基本的にはコインインターネット端末のあるところがエリアのようです。そのようなところには、パソコンを自由に広げることの机がもうけられているので、とても便利です。下の写真は持参したノートパソコンを立ち上げて、無線LANの電波をキャッチしたところです(下写真の左のパソコン)。ただ、無線LANの電波は2種類キャッチできたのですが(内1つは目的のGRICのもの)、どうもアクセスが出来ずじまいでした。これは私の勉強不足なのか、なにかトラブルなのか、いずれにせよ試行錯誤を試みる時間もないままに搭乗時間が来てしまいました。

スキポール空港での待ち時間
 前回のレポートで、「スキポール空港の公衆電話のモデムジャックがなくなった」ということを書きました。2000年頃には確かに存在したので、私が見過ごしてしまったのかとも考えました。そのため今回は意識して確認してみたところ、やはり無くなっていました。公衆電話が換わったわけではないのですが、モデムジャックが付いていた部分は銀色の金属カバーで塞がれていました。なぜ無くなってしまったのでしょうか。残念でなりません。

 アナログモデムでの接続が主流から外れてきているのは間違い有りません。これからはLAN接続のようです。事前に調べたところでは、現時点(2003年5月)でGRICはスキポール空港での無線LAN接続は行っていません。そこでスキポール空港のコミュニケーションセンターに行って、どのような無線LANアクセスサービスを行っているのか調べてみました。コミュニケーションセンターには、コインインターネット端末の他に、有線LAN、無線LANのサービスがあります。もちろん有料です。

 私はコミュニケーションセンターの端の方の空いている座席に座り、パソコンを立ち上げて無線LANの電波を探ってみました。2種類の電波がキャッチされました。その内の1つに接続を試みたところ、IDとパスワードを入力する画面が表れてそれ以上のアクセスは出来ませんでした。おそらく、お金を払って、このパスワードを教えてもらうのでしょう。
 ただ、パスワード入力画面の隣にスキポール空港のホームページのリンクが貼っていて、スキポール空港のHPだけは無料で無線LANで閲覧することが可能でした。実際にお金を払って接続を経験してみたかったのですが、家族と一緒だったため時間が無く中途半端なレポートで終わってしまいました。ただし、空港などの主要アクセスポイントでは、無線LANの電波が飛び交っているのだという実感を持ちました。あとはこれらが整備され、自由にアクセスできることが出来るのを願うばかりです。
ドイツのホテルにて
 今回もまたいつものミュンヒェンのホテル(Hotel Senefelder)に滞在しました。このビジネスホテルはミュンヒェンの中央駅に近いのと、部屋数が多いので飛び込み予約ができるのが都合がよいのです。最近ではメールで予約が可能になり、ますます便利になりました。
 インターネット環境はありません。電話もドイツのホテルにありがちな、ビジネスフォン(デジタル交換機)ですから、たとえモデムを接続しても通信することは出来ません。そこでいつものようにインラインカプラーを電話機と受話器の間に接続し、手動でアクセスポイントにして接続するのです。今回はこの方法に関して、もう少し具体的に書いてみましょう。以前、この件に関して問い合わせもあったことですし。

1.パソコンでGRICdial3.3.2(注1)を起動して、目指すアクセスポイントを表示する。
2.アクセスポイントの電話番号(今回の場合 019 302305)が表示されるので、それをメモした後その欄の番号を消して、代わりに「,」を入力する。
3.電話機の受話器を持ち、手動で「0019 302305」(注2)とダイヤルする。
4.上記番号の最後の番号「5」を押したらすぐに、マウスでGRICdialの「接続」をクリックする。

 注1 手動でダイヤル接続する場合には、GRIC MbileOffceでなく、使い慣れたGRICdialを利用しました。事前にモデム設定の「トーンを待ってから発信する」の項目を解除しておいてください。
 注2 最初の0はホテルの外線発信番号



 もしも上記の方法でうまくつながらない場合は、接続のタイミングが悪いと考えられます。次のタイミングに変えてみてください。

1.パソコンでGRICdial3.3.2(注1)を起動して、目指すアクセスポイントを表示する。
2.アクセスポイントの電話番号(今回の場合 019 302305)が表示されるので、それをメモした後その欄の番号を消して、代わりに「,」を入力する。
3.電話機の受話器を持ち、手動で「0019 30230 」までダイヤルする。
4.上記番号の最後の番号「5」を押す前に、マウスでGRICdialの「接続」をクリックする。
5.ワンテンポおいてから最後の「5」を押す。

 ちなみに上記番号はドイツの「ALL COUNTRY」の電話番号ですが、ホテルから請求された料金は一通話(メールの送受信)が20セント(0.2ユーロ)でした。

ドイツ インターネット接続レポート その4

2004.1.13 ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗

 今回のドイツ出張も例年通り、パソコンとインラインカプラーを持参しました。前回のドイツから1年近くが発ち、少しは無線LANなどの変化があったかな?と期待しての出張でしたが、全く変化はありませんでした。相変わらず、頼りになるのは「アナログモデム+インラインカプラー」です。

 さて今回のドイツ出張では、初めてオーストリア航空を利用してウィーン経由でドイツに行きました。接続便のトラブルなどがありはしましたが、なかなか快適でさらに格安な航空運賃でした。ウィーンのシュベヒャート空港もなかなか立派な空港で、ちょっとしたハブ空港を目指している雰囲気でした。
 そのウィーン・シュベヒャート空港ですが、無線LANやコインインターネットなどのコーナーは見あたらなかったように思えます。この辺り、本格的なハブ空港のアムステルダムやコペンハーゲンに劣っていました。

ニュルンベルグのインターシティホテル
 今回のドイツはまず最初にニュルンベルグに行きました。泊まったのはインターシティーホテルという有名なビジネス(?)ホテルです。しかしこの部屋にもドイツ独自の電話のコンセントはありましたが、信号がビジネスフォン形式で、直接モデムを接続する事ができませんでした。またインラインカプラーが役に立ちました。
ザクセン州アドルフのホテル
 ここは期待していませんでしたが、案の定電話がありませんでした。テレビは有ったのですが。
ミュンヒェンのホテル・ゼネフェルダー
 いつも泊まるホテルです。ここは前回通りなので省略します。

 今回はミュンヒェンの中央駅前にあるインターネットカフェを多く利用しました。メールの送受信はホテル室内で、自分のパソコンから行ったのですが、その他のWebでの調べ事はインターネットカフェが最適です。
 但し前回のレポートでも書きましたが、日本語のWeb検索をするときに、肝心の日本語入力ができません。日本語表示に関しては全く問題ないのですが、例えば「佐々木ヴァイオリン製作工房」という単語を入力できないので、自分のホームページさえ捜し出す事ができないのです。
 そこで色々と調べてみたところ、http://www.romaji.net/このような「日本語入力支援サイト」があることがわかりました。このサイトの日本語入力で実用的なWeb日本語メールが書けるかどうかは判りませんが、サイト検索のための日本語入力程度には十分使えます。

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