インターネット調査学習
ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗

 最近娘の楓(4年生)は学校でインターネットを使った「調べもの」を習っています。先日はヴァイオリンについて調べることになったらしいのですが、私に

「お父さん、学校でヴァイオリンについて調べることになったんだけれど、インターネットでヴァイオリンの事が書いてあるホームページを捜して」

・・・。横で聞いていた妻が「何でお父さんに訊かないの?」と言っても聴く耳を持ちません。どうやら、書籍やインターネット上の情報こそが「信用できる情報」と勘違いしているみたいです。
 結局、自分でインターネット上からヴァイオリン関連のろくでもないページをいくつかプリントして、学校へ持って行きました。いくつかの明らかな間違い箇所を私が指摘しても、絶対に聞きません。

 これはこれで、笑い話しでよいのですが、少し気になっていることを書いてみます。

 インターネット上には高度なレベルの情報も、程度の低い情報も同様に並んでいますので(それどころか、資本力のある会社が作った低レベルのページは、見栄えが良いので一見説得力があります)、学校の先生もきちんとその辺りを指導しなければ、子供が勘違いをしてしまいます。
 子供はインターネット上から情報を引き出しただけで、「学習をした」と勘違いしてしまうのです。インターネットは便利ですが、使い方を間違えると非常に危険です。

 本来の学習や研究は「人に訊く」、「人との会話」、「実際に自分の手を使う」、「自分の脚を使う」、「時間を使う」、「恥や失敗を経験する」というところから生まれます。しかし、手っ取り早い「答え」求められ、それらが蔑ろにされつつあるのを実感します。

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