弦の張力の実測実験

2013年12月13日 ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗

弦の張力の実測

 私はずいぶん前から当工房のホームページにて「計算によって求めた弦の張力データ」を公開してきました。今さらの話題ではありますが、今回はそのデータの実証実験を行いました。

ニス塗りの工程写真

 実験方法は、ヴァイオリンの弦長と同じになるような寸法の「仮ヴァイオリン」を作り、その端に吊り計りを固定して、その計りに引っかけた弦を1本だけ張って、弦の張力を実際に測定するという方法です。実際の実験は、下記のYouTubeの動画として掲載しました。

 

結果

 今回の実験ではドミナントとエヴァピラッツィ弦のA線(共に中古弦)を実測しました。実測した結果は次の通りで、ほぼ計算通りの測定値となりました。これによって、これまでに求めた計算による弦の張力値が、極端な見当外れの値ではないという結論に達しました。
 ドミナントA 計算による張力:5.56Kg重  実測:5.56Kg重
 エヴァピラッツィA 計算による張力:5.87Kg重  実測:5.95Kg重

 

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